人気ブログランキング |

コミュニケーション能力と学び(覚え書き)

tomag.exblog.jp ブログトップ

■米国大統領選挙と倫理的価値観

 「ブッシュの勝因は倫理的価値観」という話題が相変わらず新聞を賑わせています。

 たまたま選挙の前日、当日、翌日と、ワシントンDCの郊外のホテルにいた私は、
現地のテレビ報道をさんざん見たので、こうした記事を読むたびに、そのシーンがよみがえります。

 その中で、ある評論家のコメントが最も納得のいくもので、印象に深く残っています。

 「投票者の世代が若くなるにつれて、人工中絶や同性結婚に寛容な立場の割合が増えるので、今後、世代交代が起きれば、民主党にも逆転のチャンスがある。」

 という一言ですが、「倫理的価値判断」と呼ばれるものの儚さを物語る台詞だなあ、とつくづく思いました。

 ブッシュ大統領を支える米国福音主義は、(西欧に比べて)失敗の経験が乏しいせいか、若さゆえの原理主義的な傾向が強いですよね。今回の選挙はそれがとてもわかりやすい形で現れた結果だったのではないでしょうか。

 キリスト教の歴史は、奴隷制度や女性差別など、人間のもっとも弱く醜い部分を、権力者たちが、聖書の言葉を用いて正当化してきた、という過ちの繰り返しです。

 時代の変遷とともに、これらが緩和されてきたのは、人々の差別意識が解消されたというよりも、率先して差別をしていた人々が、この世からいなくなったというだけのことでしょう。人間の心の奥にすむ闇は、悲しいかな、そう簡単にぬぐいさることはできないようです。弱さや醜さを隠すことができても、克服することはできないのかもしれません。

 けれども、おそらく、あと100年もすれば、「一世紀前には、こういう差別が当たり前だったんだよね~」といって語られることだろう、と私は想像しています。

 神さまを思うひそかな信仰心と、自分の価値観を絶対化する宗教心は、似ているようで、
ぜんぜん違う。

 聖書の中には、いろいろな言葉が含まれているけれど、時代の変遷とともに塗りかえられる価値なんて、「真理」だとは私には到底思えません。

 にもかかわらず、

 時間と空間を超えて、永久に色あせない「真理」もまた、そういう混沌とした中に、神の奥義として隠されているような気がするから、不思議です…。
by tomac | 2004-11-18 20:58 | 日々の出来事
line

このブログのトップページは www.tomac.jp です。


by tomac
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31