◆『源氏物語』と対話デザイン
突然ですが、『源氏物語』の冒頭文です。
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どの天皇様の御世であったか、女御とか更衣とかいわれる後宮がおおぜいいた中に、最上の貴族出身ではないが深いご寵愛を得ている人があった。最初から自分こそはという自信と、親兄弟の勢力にたのむところがあって宮中にはいった女御たちからは失敬な女としてねたまれた。その人と同等、もしくはそれより地位の低い更衣たちはまして嫉妬の炎を燃やさないわけもなかった。-----(与謝野晶子訳)-----
恥ずかしながら、『源氏物語』なんて何年ぶり!?という感じですが(汗)、改めて冒頭文を読むと、ずいぶん印象が違います。うーん、それだけ歳をとったということでしょう(笑)
こちらは『読み解き源氏物語―桐壺巻の光と影』(甲斐睦朗、明治書院)です。『源氏物語』という作品をもとに、授業者の甲斐先生が丹念に積み重ねられた受講生たちとの対話デザインの成果をまとめた一冊です。たとえば、この冒頭文に関して、ある学生はこんな一文を記しています。
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当時の読者からすれば、「たいした身分でもないのに、帝に寵愛を受けるなんてあり得ない!」「何という邪道な話なの」と言いつつも知らず知らずのうちにのめりこんでしまうというような心理をうまくつかんでいるように思います。(p.8)
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自分が大学生のときにこんな授業を体験できていたら、古典文学の教養も多少は身についたかもしれません…。
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どの天皇様の御世であったか、女御とか更衣とかいわれる後宮がおおぜいいた中に、最上の貴族出身ではないが深いご寵愛を得ている人があった。最初から自分こそはという自信と、親兄弟の勢力にたのむところがあって宮中にはいった女御たちからは失敬な女としてねたまれた。その人と同等、もしくはそれより地位の低い更衣たちはまして嫉妬の炎を燃やさないわけもなかった。-----(与謝野晶子訳)-----
恥ずかしながら、『源氏物語』なんて何年ぶり!?という感じですが(汗)、改めて冒頭文を読むと、ずいぶん印象が違います。うーん、それだけ歳をとったということでしょう(笑)
こちらは『読み解き源氏物語―桐壺巻の光と影』(甲斐睦朗、明治書院)です。『源氏物語』という作品をもとに、授業者の甲斐先生が丹念に積み重ねられた受講生たちとの対話デザインの成果をまとめた一冊です。たとえば、この冒頭文に関して、ある学生はこんな一文を記しています。
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当時の読者からすれば、「たいした身分でもないのに、帝に寵愛を受けるなんてあり得ない!」「何という邪道な話なの」と言いつつも知らず知らずのうちにのめりこんでしまうというような心理をうまくつかんでいるように思います。(p.8)
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自分が大学生のときにこんな授業を体験できていたら、古典文学の教養も多少は身についたかもしれません…。
by tomac
| 2009-04-12 16:14
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