コミュニケーション能力と学び(覚え書き)

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◆知識を日常に (その4) 十字モデルの初級・中級・上級レベル

大学生が対象の授業では、学生生活や卒業後の社会生活において活用できるように…と考えますが、同じ知識でも、大学院生を対象とする場合は研究活動を想定します。そこで今回は、大学院生のふりかえりを紹介しましょう。

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私が全講義を終えて一番強く感じたことは、今までは、論理的思考による考え方を「感覚的に行っていたのではないか」ということです。自分の頭の中では、何となく理解していても、いざ自分の考えを組み立てて他の人に話す際に、どこかぎこちなく、まとめ上げるのにも時間がかかってしまう。そのような経験が多かったので、十字モデルを用いて自分の考えを目に見える形に直し、順序立てて論を組み立てる経験は新鮮なものでした。

しかし、「新鮮さ」が先行するだけではなく、「難しさ」や「苦しさ」も常に付きまとっていました。特に、全講義の中で行った二回の発表に向けての準備がそれに当たります。各章の内容を理解し、そこから問題意識をもって自分の論を展開していく。論文を一度も書いたことがないというわけではありませんが、十字モデルを用いた論理の立て方を学んだことによって、自分が論を組み立てる時に、どこでつまずいていたのかを知り、それによって、今までの組み立て方の甘さが浮き彫りになったため、しっかりした論を作り上げるのは想像していたよりも苦しいことでした。

それでも、この二回の発表を乗り越えたことで、自分自身も、一緒に学んできたみんなも力がついたのではないかと感じています。例えば、最終講義の時に、先生が言われていたように、発表を聞いてから、「みんなで意見を出し合い深めていくことが、自然とできるようになっていた」ことを自分の中でも感じることができました。また、修士論文構想を考えている際に、気がつくと自然と講義で学んだ方法を使って考えている自分がいたからです。

自画自賛をするのは、まだ早いかもしれませんが、一番苦労したこの講義が今後の生活のあらゆる場面で自分を助けてくれるのではないかと考えています。半年という短い期間でしたが、ご指導ありがとうございました。
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十字モデルを使っても使わなくても研究はもちろんできますし、即効性のある特効薬ではなく、体質改善をめざす漢方薬ですから、効果を実感できるまでには時間がかかります。ただ、多くの学生・院生の取り組みを見つつわかってきたことは、その時間軸とはどうやら活用のレベルに応じて、少なくとも3つの段階に分けられるということです。


初級: 自分の考えを組み立てるための雛形

中級: 自分の思考を対象化するための「鏡」

上級: 協同的な知識構築を支援する枠組み


この「初級・中級・上級」という考え方にあてはめるなら、ここに紹介した院生の場合は、中級から上級に移行しかけたところ、といえるのではないかな。
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by tomac | 2010-02-03 15:50 | コミュニケーション能力って
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