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コミュニケーション能力と学び(覚え書き)

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■対話デザイン→受講生のレポート(その3)

 対話デザインは今回で2回目となりますが、前回は、受講生と講師が直接向き合う、という構図で実施しました。詳しくは、「■授業評価アンケート (2003年12月8日)」という記事で紹介していますが、このときの課題として、「レポートの命題がむずかしすぎる!」という受講生の声がありました。さらには、二者が正面から対峙する対立関係を維持することは、緊張感や動機を高める効果はあったももの、「精神的なしんどさ」が残りました。

 戦うことが目的ではありません。もっと友好な関係づくりはできないのか?という発想から今回は「ゼミ生の介入」という新たな要素を加えました。つまり、「抽象的な知識体系」(講師)を「身の回りの具体的な事象に置き換える」(ゼミ生)というプロセスを介入させたのです。

 これによって、「むずかしい!」という声は格段に減ったことから、意図した効果は得られたのだと思います。しかしながら、この構図には、思いもよらない「盲点」がありました。

 もっとも重要なはずの「受講生と講師」の関係が、あいかわらず一方通行だったのです。

 もちろん、ゼミの時間では、受講生のレポートを題材にしながら議論を重ねたので、間接的には「受講生→講師」という関係が成立していました。しかし、そのことは、受講生たちには全く見えない状態でした。

 そうか。受講生からゼミ生にむけられた批判の矛先は、本来ならば、講師に向けられるべき不満のサインだったのかもしれない!と気づいたのです。

●私は実は、受講生←→講師という矢印が薄いということは少し気づいていました。このレポートが受講生とゼミ生の間にあるのなら、私たちと先生を結ぶには果てしなく遠いなと思っていたのです。それがアンケートに出たなと思いました。アンケートは受講生の意見がゼミ生という経由なくして講師にとどくのですから。でもそれによって、しっかり受講生←→講師の矢印は濃くなったと思います。話し合いの最後の方は中学とか高校での学級会っぽくて、なんかよかったです!(もちろんいい意味でです。)

●最初にゼミ生がレポートを採点するという説明を聞いて正直少しがっかりした。ゼミ生が採点するということは、先生は僕の意見を見てくれないと思ったからです。でも、(アンケートがきっかけで)受講生と講師の対話がなかったとみんな気づいて、僕もそのときにはっきりと気づいた。そこで先生が、来年からになるが、掲示板などを使ったコミュニケーションの場を作ると言ったことは、問題を解決するとてもいい方法だと思った。今年それがなかったのは残念だが、それでもゼミ生と受講生の間に対話はあったし、間接的ではあるが、受講生と講師の間にも対話は成立していたと思います。

 このように、たとえ「水面下」の対話があっても、それが「可視化」されなければ、対話は成立しない、ということがわかりました。

 三者による対話では、自分が直接関わっているコミュニケーションは見えても、自分以外の二者のコミュニケーションは見えません。これは物理的(時間や空間)な制約によるものですが、テクノロジーを活用すれば、問題を解決することができます。

 この発見は、eラーニング研究の立場からみても、とても大きな意味があります。なぜなら、「まずテクノロジーありき」という考え方ではなく、あくまでも「問題解決の手段としてのテクノロジー」になるからです。

 ちなみに、受講生による「責任ある批評」の一例を紹介しておきます。

●一般の授業は、講師から受講生の一方通行になりがちであるが、この授業はその一方通行の間にゼミ生が介入することにより、矢印の向き・方向は大いに広がることができていたと思う。そしてなにより受講生には、講師が言いたかったことがゼミ生のおかげで理解しやすくなっていたと思う。結果ゼミ生は必要だったと思う。しかし、それぞれに至らない点があったのも事実である。まず講師からの説明不足により、受講生にゼミ生の存在理由が伝わっていなかったこと、ゼミ生も人によって取り組み方に差異があるので、フィードバック担当と命題担当で分けたほうがよかったのではないかと思うこと、受講生はまず聞く態度が悪くて、自己主張があまりなく、進んで発表せずディベートのような展開にならなかったこと。他に僕が気づかない中にも改善点はあるかもしれないが、これが完璧なものになれば、新しい授業体系として、とてもすばらしいものができあがると思う。これからもガンバって、すばらしいものにしあげていってもらいたいと思う。そのためにも、一回一回の授業でアンケートをとってみてはいかがですか。
by tomac | 2005-01-17 17:44 | 牧野ゼミ(対話デザイン)
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