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コミュニケーション能力と学び(覚え書き)

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2008年 02月 20日 ( 1 )

■プロとアマの分かれ道

偶然、博士課程の院生に出くわし、久しぶりに話をしながら、彼の書いた修士論文を思い出していました。パフォーマンスの専門学校に通う若者と、現在プロとして活躍しているパフォーマーにインタビューをし、「プロとアマの分かれ道はどこにあるのか?」という問いに対する一つの答えを導いたのが研究成果でした。

プロをめざして専門学校に通う若者のうち、多くの人が最終的には夢をあきらめざるをえないのに、その中でプロとして残っていく人たちの違いは何か?

彼によると、ある分岐点に立たされたとき、「この先たとえ一生頑張ったとしても、努力が報われないかもしれない。しかし、それでもいい」と思って踏みとどまることができるかどうか、が分かれ道だというのです。もちろん、この仮説をどこまで一般化できるのかという点を厳密に考えれば、多くの課題が残されています。とはいえ、自分の歩みをふりかえると、たしかにそういう分岐点がいくつもあったな、と実感を持って納得できました。

最初は、研究者をめざすということがどういうことなのかさえ、よくわかっていませんでしたし、残念ながら、的確にアドバイスをしてくれる人にもなかなか出会えませんでした。ですから、研究職にたどりつくまで、ずいぶん遠回りをしましたし、そのぶん時間もかかりました。その効果を今になってじわじわと感じてはいますが、一歩まちがえば、永遠に堂々巡りのままどこにもたどりつけなかった、という最悪のシナリオもあったはずです。

何の保障も約束もない不安定な状態の中で、分岐点に立たされたとき、自分はなぜ踏みとどまることができたのだろうか? と考えてみると、「途中であきらめたら、きっと後悔する。それなら、やってみて後悔するほうが、まだいい」という、なんとも後ろ向きな理由(笑)だったのですが、まあ、結果オーライということで…

なんだかんだと苦労した時期もあったけれど、好きな研究と教育を生業として、人並み以上の給料をいただける立場になりました。学位もとれたし、本が出版されれば、この先は「プロとしての道」を歩めるかどうか、が問われるのだろうと思います。

この先にはもう「プロとアマの分かれ道」はないでしょう。ただ、「いかにしてプロであり続けるか」はもっと難しい問いかもしれない、と漠然と想像しています。

by tomac | 2008-02-20 17:45 | 大学院でめざすこと
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