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コミュニケーション能力と学び(覚え書き)

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2009年 09月 30日 ( 1 )

◆届いてるんだ。

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突然のメール失礼いたします。私は、広島大学教育学研究科(国語)修士1年・幸坂健太郎と申します。研究内容は「論理的思考力を育成する国語カリキュラム」の研究です。研究を進める中で、先生の論文、著書(『「議論」のデザイン』)に出会いました。先生の論は、自分の中で新鮮な論でした。

メールさせて頂いたのは、先生の著書の内容に関することです。私は、まだまだ勉強不足であり、ゆっくり先生の著書を読ませて頂いているのですが、第7章にきたところでどうしても理解できなくなってしまいました。著者である牧野先生に伺うのが一番良いだろうと判断し、失礼ながらもメールを送らせていただいた次第です。お伺いしたいことは、以下の点です。私の理解不足からくる質問になってしまうかもしれないのですが、ご容赦ください。もし先生にお時間ができましたら、返信くだされば幸いです。よろしくお願いします。


質問:(細かいことですみません。2点あります。)
1、p.157に「「メッセージ構築の層」(第3層)には言語化・非言語化レベルの二極(証明・物語)があてはまる」とあります。しかし、p.136の表6.6を見てみると、「言語化・非言語化レベルの二極」には、5~8(「明示的」~「語り的」)があり、「証明・物語」は「受け手」の行にあります。これはどういうことでしょうか?

2、p.156の図7.5についてです。先生は、二次元の紙面上に表すことを断った上で、三次元の図を描いておられます。この図は、三次元上で、同じ大きさの層が縦に重なり合っているのか、それとも、上にいくほど層が小さくなっていくピラミッド型なのか、もしくは逆ピラミッド型なのか、が判然としませんでした。図7.5から判断するに、自我層が一番小さく、世界層が一番大きいです。これを図7.4との関係で考えると、自我層が一番下、世界層が一番上ということになります。なので、先の3つのうち、逆ピラミッド型なのかな、と自分は考えました。この理解でよいのかどうか、というのをお聞きしたいです。
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広島大学教育学研究科
幸坂健太郎さん

はじめまして、関西大学の牧野です。『「議論」のデザイン』は研究者向けの本なので、修士1年生の幸坂さんが(解説なしで)一人で読んで理解するのは、やや難しいかもしれませんね。でも、とても丁寧に読み込んでくれている様子が伝わってきましたよ。どうもありがとう。

実は、学期はじめのこの時期はとても忙しくて、じっくり回答を書く時間的な余裕がありません。ヒントをお伝えします。考えてみてください。


まず、質問2へのヒントですが、p.318の図13.1をご覧ください。この図とp.135の「小宇宙」が合体して全体像が描けたことになります。その意味では、質問1の疑問点は、全体像に至るまでの部品を個々に理解しようとしていることによるのではないかな?と思いました。

それから、言葉の違いにも着目してください。p.157「メッセージ構築の層」(図7.7の第3層)は、【メッセージ構築】であるのに対して、p.136の表6.6は【メッセージの共同構築】です。この言葉の違いがご理解いただけたら疑問が晴れるのではないかと思います。「メッセージ構築とは送り手と受け手の間で意味が共有された時点で成立する」という考え方です。

ちなみに、私からも質問していいでしょうか。この本を読み始めたきっかけは何でしたか?

牧野由香里

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牧野先生

返信遅くなって申し訳ありません!お忙しい時期を考慮せずにメールしてしまったことをお詫びします。お忙しい中、ご丁寧な返信をくださりありがとうございます。

ヒントを拝受いたしました。また、(7章で躓きましたがそのまま読み進め、)『「議論」のデザイン』を読み終わりました。本の内容はまだまだ理解できていません…先生から頂いたヒントも、今熟考している最中です。ただ、この本は、私の研究、すなわち国語科における論理的思考力育成カリキュラムにとって、貴重な一冊になるのではないか、と自分なりに判断しました。もっと多くの文献と照応させつつ、消化していこうと思います。もし先生からのヒントで内容が読み解けたならば、また連絡させてください。恥ずかしくない回答を考えます。宜しくお願いいたします!

先生から頂いた質問に回答いたします。

河合塾の現代文講師でいらっしゃる成田秀夫先生に紹介していただきました。成田先生とは、広島大学で国語教育を研究しておられる難波博孝先生を通じて知り合いました。国語科では今、論証モデルとしては、往々にしてトゥルミンモデルが用いられています。成田先生から、「トゥルミンモデルについては牧野先生が論じていらっしゃる」ということを伺い、牧野先生の著書も、その際、同時に教えていただきました。成田先生が、牧野先生によろしく伝えてほしい、とおっしゃっていました。

広島大学・幸坂健太郎

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幸坂さん

お返事(ご回答)ありがとうございました。ご回答の「続き」も楽しみにしておりますので、またご連絡くださいね。

ホームページの【お便り】をご覧いただくと、この十年間の歩みをふりかえることができますが、国語教育に関していえば、十年前の時点ではまだ「コミュニケーション」が前面に出されていて、「論理的思考力」の存在感は薄かったように記憶しています。学校教育の現場では、十年間の試行錯誤を経て、この問題意識にたどりついた、ということなのかな?と感じました。いずれにせよ、学校教育(国語教育)の現場で私の提案が何らかの形でお役に立てるとしたら、そんなにうれしいことはありません。今後の展開を楽しみにしております。

ところで、成田秀夫先生がご紹介くださったというお話は意外でしたが、たいへん光栄です。私からも、ぜひ、よろしくお伝えください。

牧野由香里

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つづく

◆メール交信のつづき◆
by tomac | 2009-09-30 12:14 | 『「議論」のデザイン』
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