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コミュニケーション能力と学び(覚え書き)

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カテゴリ:やわらかい議論ワークショップ( 57 )

◆サンデル教授、わざあり。

ハーバード白熱教室@東京大学、ご覧になりましたか? 実際に日本人の学生や市民が集う様子や、興奮して語る人たちの映像を見ると、盛り上がっているという実感がわきますね。東大生300人と一般枠の500人(10倍の倍率から選抜された方々)と聞いていましたが、発言した学生の多くは帰国子女あるいは留学経験者だろうな、という印象を受けました。その意味では、日本の大学の、ごく日常の授業とは、かなりギャップがあることは否めません。

けれども、サンデル教授の授業をメディアが取り上げてくれたことの影響力を考えれば、日本の市民性教育の発展への貢献の大きさははかりしれません。時差ボケもあったでしょうに、3時間半におよぶ議論の学び合いを実践してくださったサンデル教授に敬意と感謝の気持ちを表します。

サンデル教授の授業実践が、どれだけ高度に複雑な「わざ」なのか。要するに、「対話」をおこすこと(言葉と言葉をつなげること)それ自体がそう簡単にできることではなく、さらに、それを「学び」に発展させることはいっそう難易度が上がります。にもかかわらず、慣れない初めての聴衆を相手に「哲学」「倫理学」の本質に迫りながら、なおかつ、最後は「ヒロシマ」の問題に触れるところまで議論を発展させるなんて、さすが、ですね。

私は、学校現場の「対話による学び」の実践を追いかけて、現在その本を執筆中ですが、「対話による学び」の大学版(の一つの形)を見せていただきました。

ただし、今回の試みは極めて特殊なケースである点も書き添えておかないといけないでしょう。日本の一般的な大学の授業で、サンデル教授の「わざあり」授業を期待するのは現実的ではありません。日本の市民性教育のためにしなければならないことがまだまだあるな、と思いました。


◆サンデル教授の番組はこちら◆
by tomac | 2010-09-27 12:40 | やわらかい議論ワークショップ

◆おかげさまでご好評をいただけました。

介護福祉、企業研修などでご活躍の10名の方々に十字モデル「やわらかい議論」を紹介させていただきました。もともと意識の高い方々だから、というのもありますが、おかげさまで「誰もが安心して参加できる対等な議論の場づくり」という考え方に納得、共感していただけたのではないかと思います。参加者から「もっと学びたい」というお声があったので、「もう一度お集まりいただいて、手弁当の勉強会をしましょうか」と提案させていただきました。今回は専門家集団を前に緊張したけれど、得たものも大きかったです。何事も、精一杯の準備をして取り組んでみるものだな、と思いました。

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by tomac | 2010-08-30 18:55 | やわらかい議論ワークショップ

◆サンデル教授の「白熱教室」@東京大学

NHK教育テレビの人気番組「ハーバード白熱教室」では、マイケル・サンデル教授の授業「Justice(正義)」で、大学生が熱い議論を闘わせる光景が話題になりましたね。

講義をもとにした『これからの「正義」の話をしよう―いまを生き延びるための哲学」は私も購入しましたが、30万部を超えるベストセラーになっているというから驚きです。倫理教育に関心のある人が少なくないのは喜ばしいことですね。

ただ、日本では古くから、議論に参加するのはごく限られた少数のエリートで、圧倒的大多数の人々は、参加者ではなく、観客になってしまうのです。そういう構図なら、明治時代はもちろん、江戸時代の儒学教育にまでさかのぼることができると考えると、東大生300人と「10倍の応募から選ばれた一般枠の500人」が真剣な議論を交わしたからといって、珍しいことでもないでしょう。

◆関連記事はこちら◆

今の時代に求められている新しい民主主義とは、エリート集団による議論でも意思決定でもありません。その他大勢の一人にすぎなかった圧倒的大多数の小市民が議論の場に参加し、意思決定に貢献できる社会が求められているのです。その意味では…

ゼミの歴代メンバーと毎年の受講生と一緒につくってきた「対話デザイン」の授業のほうが、はるかに先を行っているんだけどな…

「白熱教室」@東京大学は10月下旬以降に放映予定とのこと。見逃さないようにチェックしまーす。
by tomac | 2010-08-26 18:00 | やわらかい議論ワークショップ

◆新しい挑戦です

少しずつ広がりを見せている「やわらかい議論」ワークショップですが、もともとの出発点は「市民性を育てる議論」でした。従来のように権力や発言力のある人が独占しがちな議論のあり方を見直し、どのように場をつくれば、弱い立場の人々も対等に意思決定に貢献できるのかを考えていただくことを目的としています。おかげさまで、今回はじめて、市民社会の現場に近づくための一歩を踏み出せることになりました。

◆office POSITIVE「アカデミックにコミュニケーション学講座」(主宰 田中典子先生)にてワークショップを開催させていただきます。

広報、会場、募集など企画のすべてをお任せできたので、とても心強かったです。参加者は、福祉や企業など、教育現場とは異なる視点をお持ちの方々がお集まりくださるので、貴重な学びの機会になりそうです。

◆案内チラシはこちらです◆
by tomac | 2010-08-22 14:33 | やわらかい議論ワークショップ

◆筋トレと同じ

現職の先生方(20人)を対象にした講習を無事おえることができました。学校種別や教科にかかわらず、小学校、中学校、高等学校、特別支援のいろんな教科の先生方がお集まりくださったので、個々の期待とニーズには必ずしも十分にはお応えできませんでしたが、ふりかえりシートと終了後アンケートによれば、おおむね満足して帰っていただけたようです。今回は京都、兵庫、滋賀からの参加者もいらっしゃり、とくに「広島から来たかいがありました」というお言葉には身がひきしまりました。先生方にとっては、決して気持ちのいいだけの経験ではなかったはずだと思いますが。

●自分は論理的思考が不得手だということが、よくわかりました。
●感性だけで生きてきて、思考のトレーニングはしてこなかった。


という気づきには「痛み」がともなっただろうと思います。それでも、

●子どもたちが将来大人になって、同じような思いをしないように、日々の授業の中に少しでも、そういう活動を取り入れていきたい。


という決意に胸を打たれます。私もがんばります。ともにがんばりましょう。
by tomac | 2010-08-03 17:33 | やわらかい議論ワークショップ

◆やわらかい議論の支援方法(教員免許状更新講習2010)

今年も教員免許状更新講習を実施します(◆こちら◆)。国の政策が不安定な中、免許状更新を要求される現場の教師たちにしてみれば、不平・不満は当然あると思いますが、しぶしぶでも参加してみたら意外と役に立ったと思っていただけるような、そんな学びの機会にできたら、と願います。

昨年のワークショップでは、参加者の好意的評価を受けて、確かな手応えを感じられたので、今回はさらに募集案内の文面に現場の先生たちの言葉遣いを取り入れました。

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このワークショップでは「ディベート」とは一味違う「やわらかい議論」の支援方法を体験的に学んでいただきます。授業中の話し合いはどうしても発言力のある生徒が議論を独占しがちです。どうすれば苦手な生徒も安心して参加できるのでしょうか。授業中の話し合いはどうしても教師の意図と一致する発言ばかり求めてしまいます。どうすれば自由な発言を尊重しつつ的確に方向づけることができるのでしょうか。これらの問いに答える仕掛けや道具の活用法を紹介します。
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その効果だけではないと思いますが、おかげさまで、参加者の応募は定員に達しました。事前アンケートによる応募理由を読ませていただくと、ワークショップのコンセプトが的確に伝わっていることがわかります。いくつか代表例をご紹介しましょう。

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・授業の中でグループを利用し、話し合いの活動を仕組もうと努力しているが、なかなか討議が活発にならないという課題を抱えている。よりよい討議を指導できるよう学びたい。討議を深められる指導法を学びたいと思います。

・授業中に発言する生徒が偏りがちなので、いろんな生徒から発言を引き出したい。一部の生徒のみとのやりとりで授業を終わらせないためにはどうすれば良いのか、そのために教師がどのような支援をすればよいか学びたいです。

・かつてディベートがはやりましたが、論理の勝ち負けを競うディベートを学ぶことが、建設的な意見を生み出す力につながるのかどうか、常々疑問に思っていました。このワークショップの「やわらかい議論の支援方法」というタイトルにひかれました。

・児童同士の考えや意見を交流しながら問題解決していく授業を模索していますが、どうしても教師主導になってしまいます。どのように支援すれば児童同士の議論が学びにつながるのか、そのヒントを教えていただけたらと考え、受講させていただくことにしました。

・子ども達は、教師の言うことはそれなりにいっしょうけんめい聞いて、ノートも取り、課題もこなすけれど、話し合いとなると黙ってしまって、何をどう言えばわからない。自分の考えは言うけれども、議論にはならない。話し合いの指導の必要性は感じるのだけれど、どう引き出していけばいいのか、なかなか難しいです。話すことの苦手な子でも、知らず知らず話し合いの輪の中に入って自分の考えを深めることのできる、そんな議論ができたら。
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こんなふうに、ご自身の授業力を高めるために高い意識をもって学ぼうとされる先生方を多少なりともご支援できるとしたら、それは私にとって最もやりがいを感じられる仕事の一つです。ご期待にお応えできるように精一杯取り組みます。
by tomac | 2010-07-24 12:10 | やわらかい議論ワークショップ

◆しみじみと達成感

おかげさまで、学内の先生方対象のワークショップは、チームのみんなが笑顔になれる会となりました。今回はとくに教育開発支援センターのフォーラムということで、これまでの単独のワークショップよりも重い責任を感じていましたが、だからこそ、こだわったのは、センターの今後の活動につながる「きっかけ」となるものにしたい、という願いでした。5月からチームで検討を重ねたすえ最終的にこんなアイデアにたどりつきました。

センターのスタッフが中心となって、十字モデルをベースにした出前授業のようなパッケージを学内に発信していく。

そんな願いをこめたチャレンジでしたが、この提案に関係者が笑顔で賛同してくだいました。また、参加された先生の中にも早速ご自身の授業でパッケージを試用してくださりそうな様子の方もいらっしゃいました。

たとえるなら、改良を重ねた新薬がとうとう一般の薬局に並ぶ、という感じです。さらに、センターのスタッフが薬剤師チームとして介在し、様々な処方を調整しつつフィードバックをくださる、というイメージです。

私としては、関西大学教育開発支援センターという看板のもと、十字モデルの品質保証をしていただける、ということが何よりありがたいことですし、さらにうれしかったのは、3人の異なる分野の先生がそれぞれ十字モデルのことを「汎用性がある」と評してくださったことです。これは誰もが簡単に使えるという意味ではなく、様々な分野の授業に応用できるという意味の汎用性ですが、薬の開発者として、これほど光栄なことはありません。
by tomac | 2010-07-11 21:22 | やわらかい議論ワークショップ

◆チームで働くありがたさ

明日は学内の先生方を対象にワークショップを実施します。関西大学教育開発支援センター主催で、これまでの議論ワークショップ大学生の文章表現教育(論理的思考・批判的思考)というテーマにあわせて再開発した内容です。

センターのスタッフの方々と準備を進めるのは初めての経験ですが、ファシリテーターとしての役割に徹することができるありがたい環境で仕事をさせていただいています。実は先週の出張以来(冷房にあたりすぎて)体調を崩してしまったのですが、教材ファイル一式をあずけて、すべてお任せできたので、今は身体の回復に専念して休んでいます。

おかげさまで、「学内の先生方をつなぎ、教員・職員・学生スタッフをつなぐ」という構想が素敵な形で実現しそうな予感がしています。
by tomac | 2010-07-09 16:15 | やわらかい議論ワークショップ

◆楽しく知的に対話する活動



これまで十字モデルの議論活動はその薬の苦さが難点だったのですが、こういうオブラートに包めば飲みやすい薬になりました、という研究発表をしたところ、会場から好意的なコメントをいただいて励まされました。

来週は関西大学の先生方を対象に、ささやかなワークショップを予定しています。教育開発支援センターのスタッフの方々がサポートしてくださっているので、準備を進める私にとっても貴重な学びの機会になっています。
by tomac | 2010-07-04 13:10 | やわらかい議論ワークショップ

◆はじめてのカリキュラム開発論

カリキュラム開発論という教職科目が、今年度から全国一律で新設されました。3年次生が対象で、その背景には教職を取り巻く改革の流れがあるのでしょう。最近は教員養成課程を4年制と6年制の2段階にするという構想が検討されているようですね。

とにかく、初めての授業で、しかも教職ですから、授業評価アンケートの実施はやっぱり緊張しますよ。ドキドキしながら自由記述の用紙を読ませてもらいましたが…。

好意的なコメントに、ほっとしました。(~_~)

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・今年から開講された授業のようですが、この講義を受講出来て良かったです。これからもさらに学んでいきたいです。
・この授業を受けるはじめての学年ということで若干の不安はあるが、先生がとても丁寧に授業をして下さるので、それ以上にやる気になる。

・知識として学ぶのだけでなく、グループで話し合い共有できるこの授業は、他の授業では体験できず、とても自分のものになってきています。残りも真剣に取り組みがんばっていきます。
・グループワークは正直めんどくさいけど、この授業に関しては楽しいです。

・分かりやすい授業でありながら、私が全く知らないことが多くあり、大変面白い授業だと思います。
・ビデオを流すだけではなく、わかりやすく解説をしてもらえるので、理解しやすいです。

・毎回一班ずつ発表する形式が、意欲がわきました。とてもおもしろい授業だと思っています。先生の心が伝わってきます!
・いつもためになる授業をありがとうございます。

・カリキュラムについて論理的に説明してくれたので分かりやすかったです。
・劇とか、おもしろいと思います。

・私はコミュニケーション論(牧野担当の別の科目)を履修しませんでしたが、授業の中でも十分理解できました。すごくわかりやすいので、今後のカリキュラム開発論の授業もこの内容で授業が行われることを期待します。
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当然ながら、改善の余地は大いにありますが、30人弱という小規模クラスであることと、教職ですから真面目な学生が多いので、学生と教員の相乗効果だと思います。

いよいよ「ミニカリキュラムの開発」という山場を迎えますが、学びの成果を実感するときが一番、報われる瞬間です。
by tomac | 2010-06-07 18:50 | やわらかい議論ワークショップ
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