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コミュニケーション能力と学び(覚え書き)

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■映像の議論学(?)

 映像文法について、mt_bacaさんから、

 アマチュアの映像は、物語やドキュメンタリーより、俳句や短歌に近いのでは?

 というご指摘がありました。

 なるほど。こうなると、まさに「ジャンル」や「スタイル」の領域になるので、

 「文法」というより「修辞法」ですね。

 一方、r3dpin3さんはtrackbackの中で「映像の文法の向こう側の映像の修辞学」

 とおっしゃっていましたが、映像制作の奥深さを捉えた表現だな、と思いました。

 さて、せっかくなので、

 さらに「修辞学の向こう側の議論学」という階層を加えてみると、話はもっと、ややこしくなりますよ…(笑)

 修辞学は、文脈から切り取られたテキストを分析対象とする傾向がありますが、

 そもそも文脈ぬきにメッセージ分析などできない、という問題意識から出発して、

 最近では、議論学という支流が、修辞学という本流に合流してきています。

 とはいうものの、

 議論学は議論学で、双方向という形式に固執する傾向があるのも事実で、

 もっと流動的で柔軟な議論の実態を捉えきれていないのではないか?

 というのが私の立場です。

 そういう視点から、映像レトリックや映像教育を考えてみると、

 言語ではなく、映像で、議論する、とか、

 映像のメッセージを共同でつくる、とか、

 知識ではなく、議論で、共に学ぶ、とか、

 って、いったい、どんな感じになるんだろう??

 というあたりが、

 映像ブログの教育利用に関する研究テーマの核心になるんだろうな…
by tomac | 2004-12-15 14:30 | 牧野ゼミ(表現活動)

■作文教育と映像教育

 昨日の記事に対して、r3dpin3さんから、貴重なコメントをいただきました。返信欄のほうにも簡単に書きましたが、大事なテーマなので、改めて考えてみたいと思います。

 言語の文法と同様に、映像の文法についても、知識が必要とされる時代になったのでは?

 というご指摘どおり、一部の大学では既に、映像文法の教育が実施されています。

 関西大学(総合情報学部)では、実習科目が充実しているので、学生たちの多くは授業で映像文法について学んでいます。

 授業を担当されている久保田賢一先生とは、この話題について、よく議論するのですが、

 映像文法はもともと言語文法をメタファーとして発展してきた経緯があり、最近では、言語の修辞法(レトリック)にあたる映像の修辞法(レトリック)に関心が集まっているようです。

 ただ、数千年の歴史を誇る言語の修辞法でさえ、試行錯誤と見直しの繰り返しで、我々が現時点で手にしている方法論だけでは、まだまだ不十分といえます。

 一方、映像文法の歴史はちょうど百年ほどで、映像レトリックに関しては、検討が始まったばかりです。これを教育に反映させるうえで、どうしても次のことが気になります。

 たびたび申し上げてきたように、日本の教育においては、古代から、反復練習を通して知識体系を身体で覚える学習文化が継承されてきましたが、

 長い間、「古典の切り貼り教育」を意味してきた作文教育は、その典型的な例です。
 
 もちろん、この学習方法にも利点はたくさんあります。

 けれども、その弊害もきちんと認識したうえで使い分けないと、映像教育もまた作文教育と同じ道筋を歩むことになってしまうのではないでしょうか。
by tomac | 2004-12-14 12:37 | 牧野ゼミ(表現活動)

■ムービーカメラ

 映像ブログの味を知ってしまった私は、

 いつでも持ち歩けるようにと、さっそくムービーカメラを注文してしまいました!(笑)

 これは、先日、r3dpin3さんから、ご提案いただいたアイデアなのですが(→04年11月24日のTrackback )、

 たしかに、一台約15,000円なので、ゼミの予算でも、やりくりしだいで、学生一人一人に配ることも可能ですね。

 なんだか、まるで目の前に、ぱーっと新しい世界が開けたような、そんな感覚です…。

 とうとう、テキスト(メッセージ)とイメージ(メディア)の融合という未知の領域に足を踏み入れることができたのですから…。
by tomac | 2004-12-13 18:14 | 牧野ゼミ(表現活動)

■映像せいさく奮闘記(その1)

江原さん@東通産業のアドバイスのおかげで、映像公開の方法にたどりつきました~!

b0046050_16515191.jpg

映像はこちらをクリック!



なお、一部の方には申し訳ないのですが、このファイルは、Windows Media Playerがないと、見られません…(涙)
by tomac | 2004-12-11 16:14 | 牧野ゼミ(表現活動)

■野口みずき選手

 ローカルな話で恐縮ですが…、

 『広報たかつき』(12/10号)に、「2005高槻シティ国際ハーフマラソン」の記事が掲載されていて、

 あの!野口みずき選手が来賓としていらっしゃるそうですよ。

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 アテネでは、多くの皆さまのご声援ありがとうございました。おかげさまでよい結果を出すことができました。
 このたびは2005高槻シティ国際ハーフマラソンにご招待いただき喜んで出席させていただきます。皆さまにお会いできることを楽しみにしています。(記事より) 
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 来賓ということなので、まさかアテネオリンピックの金メダリストがレースに参加されるわけではないと思いますが(汗)、

 なんだか、とても、さわやかですね。

 それとも、ひょっとして、野口選手も走るのかしら??

 だったら、沿道にたって応援したくなっちゃうけど…。(笑)

 なーんて思う、私も、かなりミーハーですな。
 
by tomac | 2004-12-09 19:38 | 日々の出来事

■なぞ

 そういえば…!

 と思い出して、

 まだ目を通してなかった齋藤氏の新刊『コミュニケーション力』(岩波新書)を取り出して、読んでみました。

 なんと! 

 ご自身も、 「文脈力」「マッピング・コミュニケーション」の重要性を強調されていました…。

 きっと、齋藤氏の中では、

 たくさんの「○○力」を包括する体系が描かれているのでしょうね。

 この本では、それに近いものとして、

 「意味」というベクトルと「感情」というベクトルを交差させた図が冒頭に提示されています。

 が、私にとっては、やはりこれだけでは、もの足りない、という印象が残りました…。

 一度ご本人にたずねてみたいものですね。
by tomac | 2004-12-08 11:04 | コミュニケーション能力って

■北極と南極

 mt_bacaさんから鋭いコメントをいただいたので(04年12月6日)、こちらに返信させていただきますね。

 齋藤氏と池谷氏の考え方は意外と近いのでは?

 というご指摘は、

 出発点と方向性が違うだけで同じ軌道上を移動していることには変わらないという意味で、おっしゃるとおりだと思います。

 私の言葉が足りなかったのですが、

 「メッセージの能力」と「メディアの能力」は、決して切り離された2つのカテゴリーではなく、明確な境界線のないグラデーション状のつらなりの極と極というイメージです。

 よく使うたとえは、地球の北極と南極なのですが、

 地球には便宜的に赤道があって、北半球と南半球に分けられています。でも、実際に境界線がひかれているわけではなく、海水も大気も地殻も、そして、人の流れも、流動的で自由です。

 「メッセージの能力」と「メディアの能力」も、これと同じだと考えています。

 ここで気をつけたいのは、北極と南極が実はつながっているということは、宇宙から地球を見てはじめてわかることで、全体像を客観視できなければ、自分の位置を見失ってしまうということです。

 齋藤氏も、様々な能力の関係性については意識していらっしゃると思いますが、

 全体の地図に相当するものがないので、「○○力」と彼が呼ぶ、たくさんの能力の相対的な位置づけが(私には)よくわからないのです。

 ですから、

 「メディアの能力」から出発することには、もちろん問題はないのですが、その先で、それがどうやって「メッセージの能力」につながるのか、という道筋が十分に描かれていないのではないか?という疑問が残ります。

 反復運動を繰り返しているうちに、自分でその道筋を見つける天才肌もいますが、

 その一方で、道に迷ったり、あるいは、自分が道に迷っていることにさえ気づかないまま終わってしまう、という人もいるのではないでしょうか?

-----

 なお、池谷氏は反復練習を否定しているわけではなく、記憶力をつかさどる「海馬」の専門家として、二極の連続性にも言及していますよ。

 ただ、個人的には、

 齋藤氏も池谷氏も、そうとう極端な例だと思います。(笑)

 普通は、どちらにせよ、あそこまで片方の極に偏らないのではないかなあ…?

 でも、
 
 そもそも東大にいける人って、それだけで極端ですよね…(笑)
by tomac | 2004-12-07 20:56 | コミュニケーション能力って

■「九九」と「コミュニケーション能力」

b0046050_18503068.jpg たびたび紹介していますが、『海馬』の池谷裕二氏って、ほんと面白い人です。

 脳科学の新鋭と呼ばれる若手研究者ですが、小学校のときには、九九を覚えられなくて困ったそうですよ。

 ところが、あるとき、「最小限のことだけを覚えて、あとは方法の組み合わせで導き出せばいいんだ!」

 と気づいたそうで、以後、試験のたびに公式を導き出しては問題を解いてきたというのです。

 公式というのは、とにかく暗記して数字をあてはめるもんだと思って生きてきた私にとって、まさに、目からウロコが落ちるほどの衝撃でした。一部を紹介しますと…

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 糸井  九九ができないと言うと、池谷さんって「9×8」をどう計算するんですか?

 池谷  90から9を2回(18)引くと「72」って出てきます。(中略)九九を81個も暗記するより、ぼくの方法なら十倍することと二倍することと半分にすることの3つの方法だけでぜんぶできる。ぼくはぜんぜんものを憶えられませんから、方法を憶えるしかないんです。

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 これで、東大の薬学部を主席で卒業しちゃうんだから、すごいな~ の一言につきます。

 ちなみに、齋藤孝さんも、東大の法学部出身で知られていますが、

 齋藤氏の方法論は、「国語の九九」という発想から出発しているそうです。

 なるほど、たしかに、『声に出して読みたい日本語』も、いわば「国語の九九」ですよね。

 同じ東大出身者とはいえ、すごく対照的な二人だなあ、と思ってしまいますが、

 以前お話しした「メッセージの能力」「メディアの能力」という考え方(→04年11月22日)にあてはめると、

 きっと

● 「メッセージの能力」 → 「池谷式」

● 「メディアの能力」  → 「齋藤式」

という言い方ができるんだろうな、と思います。

 「メッセージの能力」も「メディアの能力」も、どちらも「コミュニケーション能力」の一部ですから、「池谷式」も「齋藤式」も、どちらも欠かせませんよね。

 ただ、双方を使い分ける能力は、このどちらでもなく、第三の能力のはずです。が、これについて、まだ多くは語られていません。

 おそらく、それには「コミュニケーション能力」に含まれる複合的な能力を体系的に相対化する枠組みが不可欠だからでしょう。 

 実は、自分の中では既に描けているのですが…

 ほかの人が聞いても納得できる形にして一つ一つ発信していくことが当面の課題かな。
by tomac | 2004-12-06 19:00 | コミュニケーション能力って

■熱く語る

 さきほど会ったゼミ生の三谷さんによると、

 彼の友達で、例の授業をとっている学生が、私が熱く語るのを見て(→04年12月1日)、「自分もがんばろうと熱くなった!」と話していたそうな。(笑)

 たまには、熱く語るのも、わるくないということかな。

 というか、

 やっぱり「②の関係」に(→04年12月2日)、何かが欠けていたんですね。(反省…涙)

 
by tomac | 2004-12-03 17:19 | 日々の出来事

■実り

 昨日お話しした「対話デザイン・プロジェクト」にて、

 学生による授業評価アンケートの集計と報告を担当してくれた松本さんから、レポートが届きました。

 なかなか興味深いので、一部を引用しますね。

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 受講生による評価:さまざまな意見があったが、大半の受講生がこの授業に対して真剣に取り組んでいる、と感じた。

 また、ゼミ生に対して高レベルな要素を受講生側が求めていることも確かである。(中略)

 ①先生―ゼミ生、②先生―受講生、③ゼミ生―受講生という3段階の共感を通して、「コミュニケーション論Ⅰ」の授業は成り立ち、この段階を経ることで、授業が深まり、効果をもたらしている。
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 この仮説を用いるとしたら、①と③は存在したのかもしれませんが、

 ②は、私の配慮が足りなかったのかもしれない、というのが個人的な反省点です。

 受講生からゼミ生に向けられた一部の批判的コメントは、そのサインだったのかな?

 とも思えます。

 なお、レポートには、続きがあって、

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 この対話デザインプロジェクトは、ゼミ生のコミュニケーション能力を高める上で多大に役立つものである。

 この体験を通して、【思考】→【言語化】し、【出力】(論理立てて周りを説得)することは非常に難しいと感じた。また、与えられた情報と限られた時間内に、どれだけよりよいものを提供できるか、問題解決能力・目標達成能力が試される場となった。

 短期的にこれらの能力を伸ばす事は不可能であるが、誰しも訓練を積めば、一定の成果を出せるプロジェクトであり、コミュニケーション能力の向上には最適な訓練だと言える
-----

 ということでした。

 実は、私のゼミは現3回生が第1期生で、頼りにできる先輩がいないのです。

 それゆえ、来年の卒業論文に人一倍の不安を抱いていた松本さんですが、

 その調子、その調子…ですね。
by tomac | 2004-12-02 17:55 | 牧野ゼミ(対話デザイン)
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