コミュニケーション能力と学び(覚え書き)

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■就職活動と十字

この時期になると、4回生の多くは就職活動もひと段落し、卒業研究への集中力が高まります。いやはや、卒研の指導は体力を消耗しますね~ お互い真剣勝負という感じで、こちらも手を抜けないのですが、ゼミの2年間が問われるクライマックスなので、じっくりと楽しもうと思います。

以前もお話ししましたが、卒研の指導にも、論を組み立てる枠組みとして「議論の十字」を用いています(→こちら)。このフレームを担任と学生の双方が共有していると、それはいわば共通の言語のようなもので意思疎通がはかりやすく、効率よくアドバイスできるので助かります。

そもそも、映像ブログや対話デザインといった活動において繰り返しこのモデルを用いる目的はこれなのですが、どうやら、就職活動にもその効果が現れているようですね~

就活を終えた学生が何気なく報告してくれた一言がきっかけなのですが、それをレポートにまとめてもらいました(→こちら)。2回生むけのオフィスアワーで、就活に関する質問を受けることが時々あるので、ちょうどいい資料になるのでは?と考えたからです。

一方で、今なお就職先が決まらない学生もいます。でも、就活に時間をかけることはそれほど悪いことじゃないと、みんなを見ていて思います。私は基本的に何もせず話を聞くだけですが、夏休みをはさんだビフォア・アフターでは、別人のように成長してきますから…。

<追伸> 1ヶ月ほどブログの更新を休みます。11月の終わりには再開できると思うので、そのときはまたよろしくお願いします。
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by tomac | 2006-10-25 19:01 | 日々の出来事

■母似?

昨年の4回生で「親子間のメール」を卒業研究のテーマにしたゼミ生がいました。彼は、「同じ屋根の下に住む親子の場合、若者はメールのコミュニケーションだけでは物足りないと感じている」と結論づけましたが、私のような遠くに住む親不孝者にとってはやっぱりメールは有効なツールです。

毎日のように母からケータイメールが届きますが、締め切りの近い仕事が重なっているため、夜遅くに「まだ学校だよ~」と返信する日が増えました。ところが先日、

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毎日忙しくて、大変だね。(-_-;) 無理をしないで下さいね。今が一番大事な時期だから…又ぶり返したら今までの苦労が水の泡になりかねます。(>_<)
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というメールを読んで、ハッとしました。病気が発覚したのが母のヘルニア手術の直後だったので、痛みに耐えつつも辛抱強く付き合ってくれた母に一番!苦労をかけました。そんなわけで、今朝は友人にこう打ち明けたところです。

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締め切りに追われていると、つい無理をしてしまうのですが、ここでまた症状が悪化するようなことになれば、最初から治療をやり直さなければならず、支えてくれた多くの人の努力が無駄になってしまうので、たとえそれが仕事の面でどんなダメージにつながろうと、 睡眠と、食事と、気分転換の散歩(笑)の時間だけは優先させるように!と毎日自分に言い聞かせています…。
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とはいえ、少しよくなるとすぐに無理をしてしまうのは、どう考えても、母ゆずりなんです…(笑)
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by tomac | 2006-10-22 19:21 | 日々の出来事

■オフィスアワー

オフィスアワーの季節がやってきました。2回生(2年生)が自分のゼミを決めるため大学の教員たちと会うための時間です。私もゼミ担当者として1期生、2期生、3期生を経て、次年度の新メンバーは4期生になりますが、回を重ねるごとに様子がわかってきました。

昨年まではオフィスアワーに参加した学生の質問に応えるという形で進めてきましたが、どうやら、「質問はありますか?」と問われても、何をきいていいのかよくわからないというのが実情のようですね。考えてみれば、無理もありません。「ゼミ」とは何かも知らないまま、45の選択肢の中から1つ(ないしは2つ)を選ばなければならないのですから。

ゼミの選択肢が45も!あるというのは、総合情報学部ならではの非常に恵まれた環境だと思いますが、その中から選ぶのもまた、たいへんな作業ですね、きっと…。

そんなわけで今回は情報提供に専念しました。といっても、論理のしくみ図や議論の十字に始まり、映像ブログ、対話デザイン、卒業研究、マルチメディア作品などなど、先輩たちの歩みを丁寧に紹介しただけなのですが、皆ものすごーく真剣に見入っていましたよ。

私としては、お休みをいただいて以来、公式に学生の前に立つのは初めてだったので、やや緊張しましたが、予想をはるかに超える参加者が集まってくれて、嬉しかったです。
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by tomac | 2006-10-18 18:37 | 日々の出来事

■病気から学んだこと (その5) → 人生とは…

 このシリーズの最終回として、「病気から学んだこと」をひと言で述べるとしたら、それはもう「人生とは思いのままにならないもの」に尽きまする。

 もちろん、これまでの人生でも、思うようにならないことはたくさんありましたが、それらはすべて自分の外側の出来事でした。だからこそ、ちょっとやそっとの困難にはへこたれず、なんとか道を切り開いてきたものですが、今回ばかりはそれも通用しませんでした。自分の内側に起きることが、こんなにも恐ろしくて不安にさせるものだということを初めて知り、もはや成す術はなく、白旗をあげることくらいしかできませんでした。

 ただ、そういう極限状態のときにしか見えないものというのはたしかにあって、それが私にとっては最大の学びになったのではないか、とふりかえっています。このことを端的に表した言葉を見つけたので、引用しますね。

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 人生におけるあらゆる出来事には、なにかしらの意味があるものである。当然、病気にもそれなりの意味があるはずだ。
 症状というのは、大事を未然に防止するための警告である。それと気づいてほしいという、身体が発するサインである。それをしっかり受けとめる姿勢が肝心である。
 わたしたちはふだんは仕事など忙しさにかまけて、生きることや死ぬこと、家族関係などをゆっくり考えるひまがない。病気は、生死の問題を考えたり、日常の生活を振り返ったり、先の人生を見やったり、自分自身を見つめなおしたり、軌道修正したりする絶好のチャンスである。
 現在の効率重視、利益重視の社会にあっては、病気や障害や老化は不利であり、損失であり、無駄であり、とにかくマイナスにしか評価されない。
 しかし、「病気になったおかげ」というのは、何ひとつないのだろうか。「人生とは思いのままにならないもの」と気づかせてもらえれば、それは立派な効用というものである。

-----『幸せなご臨終―「医者」の手にかかって死なない死に方』(中村仁一 1998, p.96)

 この本を紹介してくれたのは授業で知り合った院生ですが、とっても味わい深い青年なので、またの機会に詳しくご紹介したいと思っています…
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by tomac | 2006-10-15 19:20 | 日々の出来事

■フィンランドからの贈り物

フィンランドの友人(共同研究者)から、「学位取得のお祝いに」と贈り物が届きました。フィン・アート(…という言い方でいいのかな?)の香り漂う素敵なテーブルクロスですよ。
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予定では、フィンランドに到着したら、コッコラの専門大学(高等職業教育機関)で小さな講演をさせていただくことになっていたのですが、やむなくキャンセルという甚大なご迷惑をおかけしてしまったにもかかわらず、こんなふうに祝ってくださるなんて…(うるる)

昨年の視察では、フルコースのディナーだけでなく、プロのガイド付きツアーでもてなしてくださいました。私ごとき一介の研究者にはもったいないほどのホスピタリティですが、なんと、「来年10周年カンファレンスを計画中だけど、そのときなら講演できそう?」ときかれて驚きました。まだ即答できる状況ではないとはいえ、ありがたいことですね…
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by tomac | 2006-10-11 19:03 | わくわくフィンランド

■病気から学んだこと (その4) → 強者と弱者

医療従事者と患者が「強者と弱者」だとしても、たぶん、私は「弱者」ではありません。

この医者は信用できない…といってすぐに別の病院に行けるのは、同じ検査をする度に数千円の治療費を支払っても、その月の生活費を思案するような経済的状況には置かれていないからです。(かつてはそういう状況を経験したけれど

いくらなんでもあんまりだ…と思う理不尽な扱いを受けたら、しかるべき方法で伝えるべきことを伝えられる技能と、(実際にそうしたわけではないけれど)いざというときには相手を納得させるステータスがあるからです。(多くの人はそういうものに説得される

あそこに○○という病院がある、こちらに□□という医者がいる…と聞いてすぐに駆けつけることができたのは、時間をやりくりして車で送迎してくれたり、遠くまで電車を乗り継いで付き添ってくれた家族がいるからです。(泣けてくるほど献身的に支えてくれた

そういう支えを持たないからこそ「弱者」なのだと思います。だからこそ、「強者」と呼ばれる人々がまず学ばなければならないし、そのための努力なら可能な限り惜しみません。が、「弱者」と呼ばれる人々にも学びがなければ状況は変わらないと思います。だって、経済的、社会的、人的な支えは、ただ一方的に与えられるものではないはずだから。

こういうのって、「なに主義」っていうのかしら?
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by tomac | 2006-10-08 21:40 | 日々の出来事

■病気から学んだこと (その3) → 医療コミュニケーション

こう血液検査ばかりしていると、さすがに注射針を見るのが恐怖です(うる)。それでも、検査のおかげで、順調に着実に回復していることが一目瞭然にわかって、ありがたいですね。主治医は診察のたびに、「これなら、通常より早く治療を終えられるかもしれない」と繰り返すので、私の場合はやはり「学位+在外のストレス」が病気の原因だったのでしょう。原因が取り除かれた今、発病前のような無理をしなければ(あの時はホントすごかった…汗)、もう心配いらないと思います。

でも、それは今だから言えることであって、病院を転々としていた時期は、病名が判明しようと、検査結果が回復を示そうと、底知れぬ不安に眠れない夜は続きました。それが、「あぁ、この先生なら…」と思える医師と出会ったとたん、心地よい安心感にすっぽりと包まれたのです。こうして、「安心させてくれる医師との出会い」が、どんな投薬よりも効き目のある、何よりの「」となりました。あの時点で、病気は半分治ったようなもの、といえるのではないでしょうか。

すでにお話ししたように、これが7人目の医師だったのですから、そこに至るまでには、いろいろな苦痛を体験しましたし、傷つくことも少なくありませんでした。

結局は、医療従事者と患者の関係は、『強者と弱者』の関係なのですから…

そう訴える患者の声にしっかりと耳を傾け、最後まできっちりと責任を果たしてくださった一人の婦長さんのおかげで私は7人目の医師と出会えました。通院のためとはいえ、大阪と静岡をせっせと往復するのは、そういう経緯があったから、というのもありますね。

ふと思ったのは、一連の出来事を一冊の本にまとめたら、それなりの意義があるのではないかな?ということです。これまで、医療コミュニケーションの分野には縁がなかったので、あくまで素人の体験記に過ぎませんが、医療従事者を育てる教育現場でなら、ケーススタディの教材として活用してもらえるのではないかな~と思い始めてます。

とはいえ、そんな時間的余裕はすでになく、無理をしない範囲で最低限の仕事をこなすのに精一杯な今日この頃です…(うる)
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by tomac | 2006-10-04 16:47 | 日々の出来事
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