コミュニケーション能力と学び(覚え書き)

tomag.exblog.jp ブログトップ

<   2008年 09月 ( 12 )   > この月の画像一覧

■自転車に補助輪をつけるということ

議論の十字モデルを使うということは、

「自転車に補助輪をつけるのと、よく似ています」

というたとえは、イメージしやすいメタファーではないのかな、と自分では思っています。


■関連ページはこちらです■


b0046050_13233240.gif私自身も、たしか初めて自転車にのったときは補助輪をつけてもらった記憶があります。自転車なんて、乗れるようになれば、なんでもないことで、どうやって乗れるようになったのかさえ、今となっては思い出せないけれど、もしも補助輪がなかったら、バタバタと転ぶだけで、「自転車の楽しさ」を知る前に、恐怖感を覚えてしまうのではないでしょうか。

「もう二度と、自転車になんか乗りたくない」って。

一方、話し合いを支援する方法として、学校現場などでは、発言者が手をあげるときに、グーチョキパーで発言の意図(質問・反対・補足など)を示すというやり方が使われたりします。私も小学生のときに、そんなやり方をした覚えがありますが、これはこれでそれなりに有効でしょう。でも、そもそも発言が苦手な子どもにとって、どの程度の助けになるのでしょうか。

そのほかにも、「~です。理由は~だからです。」というように、構文にあてはめる方法もあります。これも使い方によっては有効でしょう。

ただ、いろいろな意見が出てきたときに、一つひとつをどのようにつなげて、なおかつ、それらをどのように方向付けて、建設的に束ねていくのか、という方法論については、日本では、これまでほとんど検討されてきませんでした。その歴史的背景について語るとシニカルになってしまいますが(笑)、まあ、端的に言えば、その必要がなかったのです。

問題は、子どもの話し合いでさえそうなのですから、大人の議論については… という点です。


■ジュンク堂で、『「議論」のデザイン』を注文する■


なんて!(笑)  お近くの図書館にリクエストしていただけたら、うれしいです。
[PR]
by tomac | 2008-09-28 14:06 | やわらかい議論ワークショップ

■対話デザイン2008 → 新しい試み(その1)

大教室の講義科目で、「対話デザイン」(受講生・支援学生・講師の三者による建設的かつ継続的な対話)ということを始めて、今年で5年目になりますが、本年度から科目名が「コミュニケーション論」から「コミュニケーションと能力」という名称に変更され、この授業スタイルの独自性を前面に出せるようになりました。たまたま『「議論」のデザイン』の刊行が重なったこともあり、今年は例年以上に気合いを入れて(笑)、いくつかの新しい試みを導入しています。

昨日は、今朝の授業に備えるために、ゼミのメンバーたちには休日返上で集まってもらい、私が何をめざしているのかを伝えるとともに、メンバー一人ひとりの思いに耳を傾け、最終的には、とにかくみんなで取り込もう!という合意形成に至りました。こういうふうに、最初の段階でメンバーたちの気持ちを盛り上げるということは、これまであまり意識してこなかった(というより、そこまで余裕がなかった)のですが、今回実践してみて、その重要さを改めて実感しています。

b0046050_2010437.gifそれから、簡易ユニフォームを初めて取り入れてみました。授業中に、メンバーたちが全員このユニフォームを着用することにより、受講生から見て、この人たちは同じ学生だけれど、自分たちとは違う「支援学生」(いわばスタッフ)なんだ、というメッセージを視覚的にとらえてくれたと思います。例年は、この理解を得るまでに相当の時間がかかるので、なんとかして最初の授業で、三者の立場を明確にしたかったのです。

それから、無地のウィンドブレーカーをはおっているだけでも、メンバーたちが一体感を味わえるようなシンボリックな効果もあったのではないかと思います。こういう雰囲気づくりって本当に大切ですよね。今までは対話のシステムを回していくのに精一杯で、そこまでの配慮ができませんでしたが、私の中にも少しずつ余裕が生まれてきている、ということなのかもしれません。


実は、このユニフォームのアイデアは学期直前にひらめたのですが、今日(第1回)の授業に間に合わせるために、事務の方にご無理をお願いしました。おかげさまで、いいスタートを切ることができました。どうもありがとうございました。
[PR]
by tomac | 2008-09-24 20:25 | 牧野ゼミ(対話デザイン)

■『「議論」のデザイン』 刊行!

b0046050_12311588.gif----------
こちらは、『「議論」のデザイン』です。やっと刊行にいたりました。思いの外、時間がかかってしまいました。お待ち下さっていた方、長い間お待たせいたしました。関西大学総合情報学部の牧野由香里先生の「議論学」自体の創出を目指した挑戦的な力作です。

コミュニケーション研究と教育工学の接点に位置する議論のデザインをめぐる488ページにわたる大著です。議論自身を巡る様々な議論そのものが、この本から始まることになるのではないでしょうか。最後の締めは、板東が行いました。デザインは伊高純子さんです。

-----ひつじ書房ホームページより-----




          ■ひつじ書房のホームページはこちらからどうぞ■



もったいないご批評を頂戴し、身に余る光栄に存じます。長い長い道のりでしたが、辛抱強く、ともに歩んでくださり、本当にお世話になりました。


出産のたとえで言うなら、松本功社長・編集長は、妊娠してからずっと経過を診てくださった産婦人科のドクターです。最後の製作を担当してくださった板東詩おりさんは、出産を控えた入院中にお世話をしてくださった看護師さんでしょうか。

装画・装丁を引き受けてくれた伊高純子さんは、20年近い付き合いの古い友人ですが、本人のことばを借りれば、「分娩室で出産に立ちあった旦那みたいな役割だった」そうです(笑)

ドクターにとっても、看護師さんにとっても、旦那さんにとっても、さぞかしムツカシイ妊婦だったことでしょう…

どうもありがとう。

[PR]
by tomac | 2008-09-20 11:50 | 『「議論」のデザイン』

■産声

とうとう本が出来上がり、最初の20冊が出版社に届くという知らせを受けました。

まずはそのうちの一冊を送ってくださるそうですが、

なんだか、出産後、すぐに我が子に会わせてもらえない母親の心境です(笑)

本当に、ほんとーーーぉに、難産だったので、

生まれてくれた。それだけで、ありがとう。

そんな気持ちです。

この手に抱きしめる瞬間が、待ち遠しい。
[PR]
by tomac | 2008-09-19 18:40 | 『「議論」のデザイン』

■音の芸術

b0046050_17461537.gif映像編集の新しい設備が導入されたと聞いて、ナレーション録音になら私でも使えるのかなー?と思い、見学に参加してみました。なにぶん音の編集の経験がないので、まずはやりながら覚えていくしかなさそうですが、ちょうど夏休み前に、留学生たちと一緒に、「議論の十字モデルのバイリンガル教材を創ろうか」という話で盛り上がっていたところだったので(昨日シラバスをつくり終えたばかり)、不思議なタイミングですね。
b0046050_17463321.gif
一方、表現の可能性を追究するという牧野ゼミのテーマとしてはこれまでことばイメージという視点を軸にしてきましたが、「音による表現」についてはほとんど未開拓です。今日は、音の芸術という世界の深さを垣間見せていただきましたが、私が専門的に指導することは無理だとしても、そういう世界の入口に連れて行くことぐらいなら、なんとかできるのかもしれませんねー
[PR]
by tomac | 2008-09-16 18:20 | 牧野ゼミ(表現活動)

■対話デザインの季節がやってきました

b0046050_16394029.gifなんだか、今年の夏休みは次から次へと仕事に追われているうちに終わってしまいました(笑)。来週から秋学期が始まります。対話デザイン・プロジェクトの季節です。ゼミの第1期生と一緒に創った活動ですが、早いもので今年は第5期生です。科目名称も「コミュニケーションと能力」となったことですし、昨年の苦い経験(レポートの代筆を強要されて困っている学生からSOSを受けた)をふまえ、いくつかの新しい試みを導入するべく、準備を進めております。
[PR]
by tomac | 2008-09-13 17:10 | 牧野ゼミ(対話デザイン)

■「先輩たちの作品についてコメントしてください。」

ようやく、ゼミの先輩たちの作品を紹介するページが整いました。


                       ■こちらです■


柔軟な発想と豊かな表現力に、いつもながら驚かされます。


まもなく、来年度のメンバー募集と選考が始まりますが、

「担任(牧野)の論文を読んで批評してください」
という、イカニモな課題を出すのはもうやめました。代わりに、

「先輩たちの作品についてコメントしてください」
という課題に変更したのです。


論文を読むという課題は大学院のレベルで十分でしょう。それよりも、柔軟な発想と豊かな表現力の「潜在的可能性」を持っている学生たちに来てほしいです。
[PR]
by tomac | 2008-09-12 16:36 | 牧野ゼミ(表現活動)

■いい仕事ができました

b0046050_1112325.gif昨年末に来日したエリザベス博士を覚えていらっしゃるでしょうか。来日の主な目的は共同研究でしたが、同年の春学期に、ゼミのメンバーたち(当時の3回生)が取り組んだ■映像クロスのプロジェクト■について、インタビューをしてくれました。おそらく指導者である私の前では言いにくいであろうことも含めて、活動の成果と課題について、メンバーたちの率直な意見を(あとから録音を聞いて)知ることができました。

インタビューによって得られたデータに基づき、このプロジェクトの教育的効果について分析し、なおかつそれを、彼女が過去にオーストラリアで実施した映像制作の活動と、牧野ゼミの映像ブログの活動をそれぞれ比較することによって考察を深めるという形で、ようやく二人の共著論文を仕上げることができました。

春休みは主に文献調査をして理論的背景を固め、夏休みにデータ分析を丹念にしていきましたが、この間、エリザベスの在籍するノッティンガム大学(英国)の同僚研究者たちが、繰り返しコメントをくださったおかげで、自分で言うのもナンですが、とてもいい論文が書けました。

書き上げた論文は国際的な権威あるジャーナルに投稿したわけですが、データ分析の手法や、そこから導かれた考察の精度が、はたしてそのジャーナルの基準を満たすものかどうかはわかりません。「とりあえず挑戦してみよう」という、一か八かの賭けみたいなものです(笑)

英文で12000語の長さです。通常の字数制限は5000~7000語ですから、2本分のボリュームがあるため、他に受け入れてくれるジャーナルがない、というのも切実な理由の一つでしたが(笑)、

採択されるかどうかは別として、たとえリジェクトされても、世界のトップ水準の批評を受けられることは、願っても得られない学びのチャンスです。

ただでさえシンドイ論文の執筆を、英語で書くということは、日本語の場合の2倍から3倍のエネルギーを消耗します。それでも、「書ける力」を身に着けておいてよかったとしみじみ思います。

米国の大学院に留学中に、そりゃあもう、血のにじむような努力で獲得した「技術」なのですから。

思えば、渡米するまでの準備期間と、帰国後のブランクを合わせると、国内で一般的な進路を歩んだ人に比べて数年間の遠回りをしました。そのため、今でも悔しい、 …というか、辛い思いをすることがありますが、遠回りは決して無駄ではなかったんだな、と思わせてくれた仕事だったので、それが何より、うれしいんです。
[PR]
by tomac | 2008-09-10 14:49 | 牧野ゼミ(表現活動)

■なぜ、YouTube なのか

映像クリップをブログで公開して匿名の批評者からコメントを受けるという発想は、YouTube のような動画共有サイトが、今のように流行するずっと前から、牧野ゼミでは実践していました。

私が当時から、「掲示板に簡単に映像クリップを貼り付けられるシステムがほしいっ!」と、いつもいつも叫んでいたのを周囲の人たちは知っています(笑)

ただ、まさかこんなに早く、そういう技術が普及し、誰もが簡単に映像をネットで公開できる世の中になるとは、さすがに想像していなかったです。ですから、YouTube の利用に関しては、ずっとタイミングをはかっていたのですが、今回、背中を押してくれたのは、こちらの映像クリップです。

米国の民主党大会で、オバマ上院議員が大統領候補指名受託演説をスピーチする様子が45分間にわたり公開されています。もう十年以上前の話ですが、私は米国の大学院で西洋修辞学を学んだ経験があるのですが、ただでさえ歴史的な意味を持つオバマ候補の演説が、こうやってYouTubeに公開されるということの重さをずっしりと実感しました。






それに比べたら、ごま一粒の重さもない小さな小さな試みに過ぎませんが(笑)、自分も一歩を踏み出してみようと決意しました。

牧野ゼミ映像ブログ・プロジェクトを2005年の春学期に実施したときは、まだ無料の動画共有サイトというような代物はなかったので、私の個人サーバに映像クリップを置いて、ブログからリンクを貼るという方法をとりました。

しかし、その後まもなく、ブログに映像クリップを貼り付けるという発想が一般化して、動画共有サイトが普及するようになると、個人サーバに置いておいたはずの映像クリップが、いつのまにか自分の知らないうちに、その種のサイトに持っていかれていたのを見つけました。たぶん、検索ロボットのようなもので、機械的に映像クリップを集めたのでしょう。

この経験から、YouTubeであれ、何であれ、ネットに情報を公開するということは、「どうぞ持って行ってください」という覚悟が必要なんだなと痛感しました。

そうであるならば、最初から情報源をはっきり明示しておくほうがいいと考えるようになりました。 今回公開した作品にはすべて通し番号をつけています。バラバラになっていても、番号をたどりさえすれば、最終的には「MCC2008_001」にたどりつくはずです。これは、私の実名入りの映像クリップですので、「責任者は私です」という宣言です。






おそらく賛否両論あるのだろうとは思っていますが、決して、その場の思いつきでしたことではありませんし、あくまでも、教育実践のための優れたツールとしての潜在的な可能性を見出しているからこそ、あえて挑戦したまでです。

少し時間がかかるとは思いますが、こつこつとコンテンツを充実させていくことで、徐々に理解も得られるのではないかと思っています。
[PR]
by tomac | 2008-09-06 12:02 | 牧野ゼミ(表現活動)

■文部科学省も YouTube を使っていたとは!

来年の4月から全国の小中学校で実施される新しい学習指導要領について、文部科学省の担当者の方が、なんとYouTubeで、メッセージを発信していますよー! ■こちらからどうぞ■

コミュニケーション能力の育成のために、国語だけでなく、すべての教科で横断的に言語活動を重視する、というのが今回の改訂の目玉の一つです。
[PR]
by tomac | 2008-09-04 17:40 | コミュニケーション能力って
line

このブログのトップページは www.tomac.jp です。


by tomac
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31