コミュニケーション能力と学び(覚え書き)

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◆失敗は成功のもと

牧野ゼミ卒業研究・制作発表会を無事に終えることができました。他のゼミからも見学者が参加してくれました。お礼を申し上げます。さて、私からはまず、

TEホールと呼ばれるキャンパス最大の教室でステージをはる、というチャレンジ

そのものを評価したいと思います。

劇場型のステージと座席レイアウトには一長一短ありますが、長所を最大限に活かして、短所を最小限におさえるための様々な工夫が凝らされていました。また、朝から夕方まで続いたプログラムが終了する頃には、会場全体に、ほのかな一体感のようなものを感じたので、何よりの成果と言えるのではないでしょうか。

ただし、万事がうまくいったというわけではなく、あれだけの会場で長時間のプログラムを最後までもたせるということに、見通しの甘さがあったことは否めません。

前半はとてもいい流れだったのですが、後半からは会場全体に疲れが出始めて、最後はやや息切れしてしまったような場面も見られました。ですが、言葉でいくら説明しても伝わらないものってありますし…

失敗を通してしか学べないこともあります。
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by tomac | 2010-01-31 18:10 | 牧野ゼミ(卒業研究)

◆よろしければ、どうぞ

「知識を日常に」は一休みして、牧野ゼミ卒業研究・制作発表会のご案内です。

学生数が年々増え、来年度からは1学年16人になるので、全員一律に発表、という従来のやり方には無理が生じてきました。そこで私から提案したのは、小さな教室2つに分けて2セッション同時進行で発表する、というやり方でしたが、本人たちが納得しませんでした(笑)。やっぱり、いつもの普通教室ではなく、晴れ舞台に立ちたいんだなーと感じました。なんといっても、うちのゼミは表現者の集まりですからね。そこで、私からは一つだけ条件を出しました。

「後輩たちにとって、学びとなる会にすること」

話し合いを重ねたすえ最終的には、「自分は発表したい」という意思表示をした人が発表し、発表しない人は「自分の学びについて語る」という方針に決定しました。結果、発表者は14人のうち7名となりました。

いずれにせよ、本人たちが選んだやり方です。どんなステージをつくるのか、じっくりと見せてもらいましょう。

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●日時 1月30日(土)
●会場 TEホール

●プログラム

10:00 挨拶

10:30 研究発表「漫画においての非言語表現」
11:00 制作発表「何気ない日常の素晴らしさを写真で表現する」
11:30 研究発表「クチコミの評価情報から見る@cosme(アットコスメ)」

13:00 発表者以外のトーク①

13:20 研究発表「就職面接における声の効果」
13:50 制作発表「牧野ゼミ紹介VTRの制作」

14:40 発表者以外のトーク②

15:00 研究発表「ニコニコ動画の政治性」
15:30 研究発表「動画内における時間あたりの最適表示文字量について」

16:00 総評
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by tomac | 2010-01-28 13:00 | 牧野ゼミ(卒業研究)

◆知識を日常に (その3) どういたしまして

1年生の紹介が続いたので、今回は、卒業をひかえた4年生の男子学生の記述を紹介しましょう。「コミュニケーションと能力」は主に1年次生を対象とした授業科目ですが、社会のことをまだよく知らない1年生と、多少なりとも経験を重ねた4年生とでは、感じ方や捉え方も違うようですね。

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私のシューカツを振り返ると、授業で習った「多元的能力」、「議論の十字モデル」をフルに使っていたなと感じました。

「科学的な能力」で企業の事を調べ、知識とし、「メディアの能力」でエントリーシートを書き、「メッセージの能力」で面接官と対話し、「社会的な能力」でフィードバックを受けたり、面接では何がいけなかったのかを自分で内省したり。

「議論の十字モデル」はエントリーシートを書くときや、面接で質問をされたとき、いかに相手に自分の伝えたいことをうまく伝えられるかを考え、抽象、具体、背景、命題、反論、論ばく、提言と、できるだけ論理的に話すことを考えていました。

シューカツを始めたばかりの自分を思い返したり、今の3回生の相談を聞いていると、やはり日本の教育は「メディアの能力」に重点が傾き過ぎているなと感じます。企業研究をし、エントリーシートの書き方を覚え、どのように話すのが良いか、という組み立てはみんな良くできています。

しかし、いざ面接官と対面したときに「対話」がうまくできないのです。ダイアローグではなく、モノローグになってしまうのです。やはり現代の社会では「多元的能力」というものが求められていたんだなと授業を終えて思い返しました。できればシューカツ前にこの授業を受けておきたかったです。

卒業がかかっていて緊張してしまい、誤字脱字が多い読みにくい答案になってしまい申し訳ありません。半年間ありがとうございました。
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4年生ともなると、白紙の答案用紙の最後に「卒業がかかっているのでお願いします!」というような記述をする学生がいたりするものですが、彼の場合は、講義内容の理解度を問う残りの4問も、ほぼ満点に近い高得点でした。知識が自分のものになっていたからこそ活用できたのだと思います。

この授業で学んだことが本当に活かされるのは、この先の長い人生ですよ…。
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by tomac | 2010-01-26 17:33 | コミュニケーション能力って

◆知識を日常に (その2) うんうん、なるほど!その通りだね。

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私は高校2年生の時の三重県サッカー選手権大会の準決勝での試合を思い出した。私はFWとして試合に出ていて、1点ビハインドで負けているため、少なくとも残り15分で1点を返さなくては負けであるとわかっていた(科学的な能力)。そのために守備をする力を抜いて、攻撃の時、フリーでボールをもらうことが必要だと考えた(社会的な能力)。だがボールがフリーになってもこなかったので大きな声で呼んだ(メディアの能力)。それでもこなかったので、MFの3年生に話しかけて、「次にボールを持ったら自分をまず見てください」と伝えた(メッセージの能力)。こうして、見事フリーでボールをもらうことができ、ゴールを決めることができた。
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私は高校のときに楽器をやっていて、2つのバンドのリーダーのAとBから「自分のバンドに入らないか」と言われた。Aには「自分のバンドにはとても上手いドラムがいて、ボーカルの歌も上手いから絶対に学校で一番のバンドになれる」と言われた。しかしAはよく約束をすっぽかしたりするし、話を大きくふくらませて言う性格だったので、あまり信用することができなかった。一方、Bには「自分はあまり上手ではないが、一生懸命練習するからバンドに入ってほしい」と言われた。Bのギターの腕前はAに比べると上手ではなかったが、Bは何事にもまじめに努力することのできる性格で、彼が本当にバンドをしたいのだという気持ちが伝わってきたので、私はBのバンドに入ることを決めた。

ロゴスの点ではAの方が勝っていたが、エトス、パトスの面ではBの方が勝っていたと私は思う。そして、この経験から、コミュニケーションの能力は、ロゴスよりもパトス、そして特にエトスが重要になってくると思った。
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私は現在、出身高校の今年5月にある定期演奏会にOBとして出演するため練習を行っている。月に1、2回高校に集まり練習している。OB、OGも2期生から21期生まで様々な人が集まる。パートごとに集まり練習するわけだが、教えあう事が多々ある。私は楽譜を読むのが苦手である。後輩は楽譜を読むのが得意である。よって私は彼女からこの事に関しては一方的な指導“モノローグ”を受けざるを得ない。しかし、パート練習になると私が1stとしてパートを先導し、3rdの彼女と違う楽譜を吹きお互いにハーモニーを確かめあったり、メロディ部と伴奏部の関わりを確かめあったりする。これが“ダイアローグ”であると考える。パート練習が終わると後輩・先輩全員での合奏である。ここでは1st、2nd、3rdでの“マルチローグ”でパートの音をつくり、パートごとの“マルチローグ”で金管としての音をつくり、最後に金管、木管、打楽器、指揮者での“マルチローグ”により、一つの演奏を完成させる。このように音によるコミュニケーションにおいても“モノローグ・ダイアローグ・マルチローグ”の各能力が存在している。
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by tomac | 2010-01-25 17:07 | コミュニケーション能力って

◆知識を日常に (その1) つたないけれど心に響いた

「コミュニケーションと能力」の試験では、本年度だけの特別措置として新設した問題(自由記述)があります。

この授業で学んだ知識を日常の「コミュニケーション」にあてはめて「能力」という観点から論じてください。

ようやく解答用紙のすべてを読み終えました。集計等の作業は残っていますが、記憶が鮮明なうちに、印象に残った記述例をいくつか紹介していきましょう。

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私は日常生活においてコミュニケーションをうまくとれているか?と言ったら、わからない、と答える。その理由が、この授業を通してわかってきた。私は、頭の中で物事を考えるのが苦手だ。難しいことがわからないからだ。そのため、論理的に物事を考えることができない。いつも感情的で少しヒステリック気味だったように思う。人に相談されても難しいことだと思考がストップしてしまった。この授業で、論理的に物事を考える能力が低いと感じた。それがわかったのは先生のおかげです。あと、エトスの話し手の人柄については、やはり話をしたくなるような魅力が必要だと感じた。少しずつ魅力的な人間になりたい。
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私はよく、ある友達に優しくないと言われる。私は特に自分が優しくないとは思わないが、コミュニケーションと能力の授業を受けて、その人と私とでは、良心の高さに差があるからである、と考えることができるようになったのだ。意識が発達する中で成長する良心が、私よりその人の方が勝っていたので、私が優しくないと感じたのだろう。つまり、私はその人より「意識ある心の頂点」が低いのである。
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これらの記述は、他の学生たちの記述と比べると、言語表現はたどたどしいという印象を受けましたが、「知識の活用」という意味では大事な何かを学んだと言えるのではないかなと思いました。
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by tomac | 2010-01-23 18:12 | コミュニケーション能力って

◆ただいま採点中

「コミュニケーションと能力」の試験の答案を採点中です。学期中のレポート点が50点(5点×10回+ボーナス点数回分)に対して、試験は50点(10点×5問)という比重ですから、試験問題も慎重に考えます。

今回は、どれだけ講義内容が理解できているかをはかる問題を新たに作成しましたが、よく理解できている人はもちろんのこと、つたない記述であっても、ちゃんと自分の言葉で表現して書けている人が意外と多いので、驚きつつも、いい問題だったのかな、と思っています。

ただし、学生の側が考えて解くタイプの問題は採点する側も考えながら採点しないといけないので、正直いって、223枚の解答用紙と向き合うのは楽じゃないです(笑)。ま、休憩しながら少しずつ進めています。

大学教員にとって、研究は好きでやっていることだし、授業の準備はあたりまえだけど、それ以外の見えないところで、実は「ひーひー」言いながらやっているのは、卒業研究(制作)の指導と、多人数授業の試験の採点なのです。

でも、自由記述の問題の解答文で、興味深い論述をいくつか見つけました。「なるほど」「ふむふむ」と考えさせられています。そういう楽しさ、面白さもあるからこそ、しんどくてもできるのだと思います。このあと、事例をいくつか紹介していきますね。
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by tomac | 2010-01-22 17:55 | コミュニケーション能力って

◆十字モデルを物語に埋め込む

留学生動画教材開発に挑戦しました。ストーリー性のある物語(対話)の中で十字モデルを解説します。


「鳥物語」で十字モデルを学ぼう 姜文渊




「十字モデルで友達を慰める」 キンキンス


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by tomac | 2010-01-18 16:22 | プロジェクトいろいろ

◆企業内教育という新たな展開

泣きながら失敗を重ねた(笑)ワークショップも、学校や大学の教育関係者むけの内容で、好評をいただけるまでになりました。

◆こちらからどうぞ◆

なんと、このワークショップを「企業内教育」に応用できないか?と、その道のプロの方々が提案してくださいました。

教員研修タイプのものは、今後もさらに改良していきたいと思いますが、一般企業のニーズにこたえられるのであれば、専門家のお知恵を借りながら、新しいタイプの開発もしてみたいです。

まずは、『学び合う教師たち』の原稿を仕上げることが当面の課題ですが、そちらが一段落したら、新たに挑戦したいテーマです。
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by tomac | 2010-01-16 14:39 | やわらかい議論ワークショップ

◆がんばったね。

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by tomac | 2010-01-14 17:57 | 牧野ゼミ(卒業研究)

◆春はすぐそこ、がんばろう。

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by tomac | 2010-01-12 18:02 | 牧野ゼミ(卒業研究)
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